(社)周南青年会議所 2009年度理事長所信
<基本理念>
基本方針 |
- 公益性のある魅力あるまちづくり事業の実施
(1) スポーツを通した青少年育成と地域活性化
(2) 自然の中でのこころの共育
- 会員の増強とメンバーの資質向上
- 組織力のある魅力あふれる青年会議所の創造
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はじめに
「歴史的再編期を迎えた今、我々JAYCEEは、維新より培われた歴史への敬意と誇りを胸に、
周南地域中核都市形成の魁として、既存の枠にとらわれず、より高い可能性に挑戦する決意をした。ここに(社)徳山青年会議所と(社)下松青年会議所を統合し、
調和した健全な地域社会の成熟の為に会員一人ひとりが次代を切り拓くリーダーとして確固たる自己を確立し、
率先して行動することにより、より広く社会に信頼され支持される青年会議所へと進化することを誓い、周南青年会議所の創立を宣言する。」
2003年、徳山青年会議所46年、下松青年会議所37年の歴史を統合し、120名のチャーターメンバーの下、社団法人周南青年会議所が設立された当時の創立宣言文です。我々の先輩達は、劇的な社会環境の変化の中、「まちづくり」「人づくり」に不変の情熱を注ぎ、活動されて来ました。
その結果、周南青年会議所も6年間の歳月が過ぎ、より力強い青年会議所に生まれ変わりつつあると思います。その結果、チャーターメンバーと同じ120名という多くのメンバーと共に2009年度のスタートを切ることが出来ました。
現在は、かつてないほど混沌としており、変革の求められる時ではないでしょうか?そんな時代だからこそ、創立宣言文の中に込められた我々先輩の「まちづくり」「人づくり」に対する不変の情熱を基軸とする事が大事だと考えました。
既存の枠にとらわれず誇りと自信を持って活動し、明るい豊かな社会を築いていこうではありませんか。
継承と発展
昨年、中国でオリンピックが開催されました。華やかな開会式で始まり、世界の一流のアスリート達が放つ輝きにみなさんも感動されたことと思います。またそこにはそれぞれのドラマがあり、改めてスポーツは人を元気にし、地域を活気付けるものだと実感しました。
また、昨年の健康保険法の改正により40~75歳の方を対象に健康診断と保健指導の実施が義務化されました。いわゆるメタボリックシンドローム検診で、生活習慣病対策として早期治療や生活指導を徹底し、医療費を削減することを目的とする新検診です。ちなみに、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームと言われております。
このような背景から、昨年、我々が行ったウォーキング大会を本年も継続事業とし実施します。この大会をさらに発展させ「地域」「諸団体」を巻き込んで、県内外の人たちにもこの周南の地へお越し頂き、更なる魅力あるまちづくり事業に成長させたいと思います。
そして、もう一つJCサポーターも積極的に取り組んでいきたいと考えております。地域でのJCの認知度を高める事、さらなる組織力の向上、市民の地域参画の意識向上の一助になると思います。本年度はもう一歩進んでJCサポーターを充実させることで情報発信PRを行い、参加やお手伝いをしていただく中で、よりJCを広めていきたいと考えています。
未来のために
一昨年、アメリカのサブプライム問題に端を発し、原油、穀物、資源価格等あらゆる相場が高騰し、リーマンショックによる世界同時株安、金融不安等、世界経済の抱える問題の多くは人々のモラルの低下によるものだと思います。そして世界情勢に目を向けると、米国の弱体化から国家間での様々な問題が彷彿し、世界各地での紛争やテロ、地球温暖化を代表とする環境問題等、世界情勢の不安要素は挙げれば切りがないほどです。
国内に目を向けてみると、日本経済を牽引してきた輸出産業も、円高、世界経済の後退によって鈍化しており、政治においてもここ2年で総理大臣が3人も交代するという混迷状態にあります。また、2007年の世相を反映する漢字が「偽」であったように、産地や賞味期限、事故米など様々な偽装問題、家庭でも親子間での殺傷事件等、モラル低下の進んだ現代社会に疑問を感じます。
諸問題を抱え不況にあえぐ現代社会では、「夢を語るよりも今起きている目の前の現実が大切だ。そんなゆとりはない」と考える人も多いでしょう。しかし、このような先の見えない混沌とする時代だからこそ、目先のことばかり考えるのではなく、志を高く持ち将来を思い描いて欲しいのです。目標もなく漫然と生きる人と、目標に向かって一生懸命努力する人のどちらに明るい未来が待ち受けているでしょうか?
明るい未来を心に描くことが、夢を現実に変える第一歩だと思います。過去に学び、今を考え、明るい未来を語り、そして今、行動することが大切なのです。
青少年育成
毎年、文部科学省が行っている「体力、運動能力調査」によると、30年前と比較すると体格が向上しているにもかかわらず、体力、運動能力が低下しているそうです。また、靴紐を結べない、スキップが出来ない等、自分の身体を操作する能力の低下も指摘されており、体の制御能力の低下とともに心の制御能力も低下していると感じています。
昨今、子どもに関する事件事故が多発しており、取り巻く環境が日々悪化していることは紛れもない事実です。
そして、子どもたちの「食」に関する環境も変化してきており、平成17年に食育基本法という法律が制定されました。この法律が制定された背景として、「食」を大切にする心の欠如、栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加、「食」の安全性の問題や伝統的な食文化の喪失等があげられます。現在、小中学校の児童生徒のうち朝食を食べない割合が約20%、また子どもだけで朝食を食べる割合は31%もあるそうです。このようなデータを見ると、子どもを持つ親として我々自身も子どもたちと共に学ぶ、「共育」の必要があるのではないでしょうか。
このような背景から、明るい日本の将来を担う子どもたちを対象とした事業を2つ行います。
一つは青少年を対象としたスポーツ事業です。スポーツを通じた健全な青少年の育成を行い、親子共々学ぶ事もでき、近隣地域も巻き込んだ魅力溢れるまちづくりにもなる事業を行います。
もう一つは農業体験事業です。藤原先生のベストセラー「国家の品格」の中に日本人の優秀さは、四季が作り出す自然の変化、農耕民族が持つ自然との調和を考える所に起因した、感性が優れているところだそうです。美しい田園風景の荒廃は最も大事な感性の低下につながっているとも考えられます。また食糧自給率の低さなど農業体験事業には書ききれない意義を感じております。自然からの恵みを感じてもらえる事業ができればと思います。
これらの2つの事業を通しモラルの高い青少年のバランスのとれた人格形成、つまり、親、兄弟、先生、社会、あらゆる物に感謝の気持ちを持てる人格形成の一助となればと思います。感謝の気持ちがもてれば、人としての基礎の挨拶も自然にできるようになるでしょうし、誰もが挨拶のできる「まち」になれば、思いやりのある明るい豊かな地域社会を築くことができると思います。
人材育成
日本JCでは会員拡大を重点事業として位置づけしております。
魅力ある青年会議所を創造し、会員拡大が図れるようにするには、組織力の向上と、その構成メンバーの資質向上、そしてお互いの関係強化が重要と考えます。
『心が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば性格が変わり、性格が変われば人生が変わる』と言います。青年経済人として、JAYCEEとして成長できるよう、自己啓発の機会を数多く企画いたします。心が変わる気づきが多ければ、必ず個人の資質は向上します。そしてお互いの関係をより強固なものとし、よい相乗効果を与え続けるサイクルが確立されれば、魅力ある青年会議所を作り、地域の活性化まで繋げられると思います。会員拡大と人材育成にさらなる力を注いでいきます。
敬天愛人
この言葉は明治維新の立役者西郷隆盛の言葉です。「克己心(こっきしん):総じて人は己に克つ(欲望に勝つ)を持って成り、自らを愛するをもって敗るるぞ」という言葉の通り自己の名誉や欲から無縁の生涯を送った人であり、私の尊敬する偉人の一人です。そんな西郷隆盛が生涯好んでつかった言葉で、「天を敬い、人を愛する」という意味です。人は天命というものを天から与えられ、それに従い生きています。我々は、その与えられた人生の中で生きる意味を探し、謙虚な姿勢で万物と接する。つまり、生まれ育ててくれた親、地域へ感謝し、そのお返しをしていかなければならない使命があります。
青年会議所メンバーは、長い人生の中で20歳から40歳までの限られた時間の中で活動しています。生まれ育ったこの地域について真剣に学び、考え、無欲で行動することで地域に役立ち、その過程において共に学んだ仲間と固いきづなで結ばれ、あらゆる知恵をしぼり困難に立ち向かい、夢を語り合い生涯の友を見つける。
これぞJCの三信条「修錬」「奉仕」「友情」ではないでしょうか。
おわりに
我々は、歴史の礎の上に生かされております。魅力ある素晴らしい周南青年会議所が今あるのは諸先輩方の努力のおかげです。今まで明るい社会、素晴らしい地域作りに貢献をされてこられた先輩方に恥ず事無き誇り高い青年会議所活動をこれからも続けていかなければなりません。
社会、JC、会社、家族、自分の明るい未来を切り拓くのは我々自身です。我々JAYCEEが、「志高頭低」の姿勢で「明るい豊かな地域社会の実現」を目指し、自分自身の役割を果たしていくことが大切です。
周南青年会議所120名、志の高いメンバーが、「敬天愛人」の心を持ち、つよい「きづな」で結ばれたよりよい組織作りをしていきたいと思います。
そして、周南JCに所属していることを誇りに、我々の進むべき道をしっかりと見定め、共に歩んで行きましょう。
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