社団法人 周南青年会議所 2008年度

(社)周南青年会議所 2008年度理事長所信

■基本理念


■基本方針

1.公益的で魅力溢れるまちづくり事業の実施
2.積極的な会員の拡大及び会員の資質の向上
3.日本・中国地区・山口ブロック事業への参加

はじめに

 社団法人周南青年会議所は、前身である徳山・下松の両青年会議所が統合をし、120名のチャーターメンバーによって設立され、本年度で創立6年目を迎えます。
 昨年めでたく創立5周年という節目を迎え、周南JCも創成期から成長期へ移行し、新たな方向性を考える転換期にあると言えるのではないでしょうか。
 私達は「明るい豊かな社会の創造」という共通の理想を、不変の志と掲げて活動をしてきたこの歴史に自信と誇りを持ち、時代が変わっても変えてはならないことをしっかりと認識し、そして時代に応じて変えなければならないことは積極的に変えていくという、進化をする為の変化を行い、共に魅力溢れるJCの創造をしていきましょう。

求められるJC

 2008年度は公益法人制度の改革元年です。今後5年間の準備期間の中で公益社団法人の活動や会計にこれまでより高いハードルが設けられます。
 例えば公益目的事業比率が総支出の50%以上の必要があるなど、今まで以上に透明性や公共性が求められます。 本年度の周南JCは、JCの存在意義や何の為に活動をしていくのかといった根本的な部分を改めて見つめ直し、責任感と使命感をもって公益事業を今まで以上に展開していきたいと考えています。同時に内部的な事業や慣習についても、いままでやっているからというような単純な理由で継続をしていくのではなく、既存の形にとらわれずJCの常識が世間の非常識にならないよう、一つひとつを見直す時期に来ているのではないでしょうか。 また、最近の報道を見ても相変わらず、企業による不祥事や反社会的で利己的な行動による事件が連日のようにマスコミを賑せ、企業や個人の倫理観が忘れ去られているように思えます。私達JC会員はどうでしょうか? 私達の日々の行動はどうでしょうか?傍から見たときに私達は立派な青年経済人なのでしょうか?
 本年度周南JCは、私たちJC会員がまず自らの襟を正し、先頭に立って模範的な行動を示し、地域の人々を引っ張って本格的な「まちづくり」と「人づくり」に取り組んでいきたいと思います。

人材育成

■会員拡大

 本年度は会員拡大に今まで以上の力を入れていきたいと考えています。
 ただここで、会員拡大はなぜ必要なのかということを、改めて考え直してみる必要があります。組織を維持する為や事業費を確保する為なのでしょうか?
 まずJC活動の本来の目的を考えてみると、「明るい豊かな社会を築き上げる」ことを目標に、「まちづくり」と「ひとづくり」に重点を置いて地域社会の活性化に努力しようという団体です。 つまり、言い換えると、より多くの青年をJCに入会させ、JC活動をとおして立派で常識のある社会人に育て、世の中に送り出し、共にまちづくりを行なおうとしているわけです。だからこそ会員拡大が最大の地域貢献といえますし、まさにJC活動そのものであるといえるわけです。
 40歳までという限られた時間の中で、様々な人と出会い、心と心を通わせ、熱い情熱をもって取り組んだ活動により、多くの事を学び自分自身が成長することはもちろんですが、一緒に取り組んだ仲間は一生涯の友になるはずです。この様な素晴らしい機会を与えてくれるのがJCであり、一人でも多くその魅力を伝え、仲間を増やしていきましょう。
 また、本年度はJCの外郭団体として、地域の人々と連携できるようなサポーター組織の構築も模索していきたいと考えています。

■会員改革

 本年度の周南JCの目標の一つに、近年、希薄になりつつある「会員間の結束の強化」ということを挙げたいと思います。
 これは、すべてのJC活動を行なう基盤の部分だと思います。何をするにもまず足元である基礎を固めなければどんな立派な建物も崩れてしまいます。そこで研修という切り口で一から見直し、あらゆる手法で周南JCをより強固な組織力のある団体に変化させていきたいと考えています。また、その組織内においても、上下関係や横の関係をきちっと意識し、統制のとれた組織で、先輩を敬う心や後輩を思う心を養っていきたいと思っています。単純なつながりではなく、同じ志を持つもの同士が人と人との利害を超えた固い絆で結ばれ、共に活動することが出来るという環境を、改めて築いていきたいと考えています。

■青少年育成

 豊かな自然体験や社会体験を通して、子供たちにより良く生きていく為の「生きる力」を育てていくことが今、求められています。 また、一方で青少年犯罪やニート問題等、物質的な豊かさにより、すべてのものに感謝をする気持ちが忘れ去られていることに起因する様々な社会問題があります。 本年度は、青少年を対象に仕事や経済の仕組み、商売やものづくりの楽しさを体験的に学ぶ機会をつくり、働くことの義務や意義を教え、将来の勤労意欲へ繋げると同時に、お金のありがたみを体験し、自分たちが生活できているのも両親が大変な思いで働いているからという感謝の気持ちを持たせたいと思います。 また、将来の日本経済を担う起業家の育成にもつなげ、地域の活性化に貢献していきたいと思っています。 若者定住を目的に3年間行なった「周南しごとフェスタ」は雇用情勢等から本年度は継続しませんが、新たに意義のある青少年育成事業に取り組んでまいります。

社会貢献

■環境事業への取り組み

 京都議定書によると、日本に対しては2008年から2012年までの間に、1990年比で温室効果ガスの削減量を6%と義務付けられました。
 また、昨年行なわれたドイツにおけるサミットでは、2050年までに温室効果ガスの排出量を現在の半分に削減させるよう真剣に検討するという目標を掲げました。
 それに対し、日本の現状はマイナス6%どころか8%も増加しており、特にその増加分は家庭からの排出といいます。
 本年度の周南JCは、50年後100年後の地球を真剣に考え、一人でも多く環境問題に取り組む人を増やす為、広く市民に対して啓発をしていく大規模な運動を展開してまいります。
 また、周南JCとして、地球温暖化防止の国民運動であるチーム・マイナス6%にも加盟し、まずは私達の意識や行動から変えていく必要を感じています。

■まちづくり

 JCは単年度制の組織ということもあり、どちらかというと「まちづくりの企画」は、1年間の中で始まって完結するという、単発的でイベント志向の強い事業が多かったように感じています。本年度は少し趣向を変え、この地域において永続的な経済効果を考慮し、初めは少しずつでも将来的には市外、県外の人々が日々訪れるといった夢のある発展的なまちづくり事業にチャレンジしていきたいと思っています。
 組織編制についても、周南JCの活動エリアである、周南市と下松市の2市を行政ごとに明確に委員会を分け、よりメンバーが活動しやすい組織で、行政や市民とともにこのまちの発展に貢献をしていければと考えています。
また、数年間周南JCで行なってきたスポーツ交流事業も、今までの青少年育成という視点から、本年度はまちづくりという視点で捉え、外から多くの人が参加でき交流と共に地域の活性化や経済効果のある事業にしていきたいと考えています。

■公開討論会

 昨年度の周南JCは、周南市長選挙において、候補者の政策を聞いて自分の意思で投票しようということを目的に周南市長選公開討論会を開催し、実に1800人の動員を達成し、市民の主体的な政治参加に貢献できたのではないかと思っております。
 本年度においては、下松市長選挙にて公開討論会を企画していきたいと思っています。
 そして、特に若者の政治に対する関心を高め、投票率を上げるための活動も力を入れていかなければなりません。
 また、市民の関心は選挙のときだけ、それが終わったらあとは何をしているか分からないという人が多いのもまた実情ではないでしょうか。
 選挙時に政策を聞くだけでなく、市民の代表として選ばれた責任ある市長や議員が、議会でどのような議論を行っているのか、そして公約は守られているのかということも今後JCが検証していかなければならないと考えています。

■国際貢献

 私達周南JCは、一昨年前に韓国の清州JCと姉妹締結を行い、数回にわたり、お互いの国の子供たちを対象としたホームステイ事業や、親善野球大会等の事業を行なってまいりました。本年度は、この交流事業を続けて、より深い関係を築いて行く一方で、新たに海外国際協力事業を展開していきたいと思います。 世界では約5億人が飢餓や栄養不足に苦しんでいます。そして6億5千万人の子供たちはまともな住居にすら住んでいないのが現状です。私達は、支援を必要とする国に対して何が出来るかといったところから考え、国際貢献にチャレンジしていきたいと思っています。
 また、昨年度の国際事業の中で行ない、とても高い評価を頂いた、「不要になった野球用品を回収して海外の恵まれない子供たちへ寄付する」という活動についても、形は変わったとしてもそういった活動の継続もしていきたいと思います。 そして会員だけでなく少しでも多くの青年と共に、国際貢献活動を体験し参加者が人として成長し国際人として将来的に世界平和に貢献できる人材の育成をしていきたいと思っています。

おわりに

 すべてのJC活動は、世界平和そして、明るい豊かな社会の創造に繋がっています。
 このスローガンは、そんな目標の象徴として付けさせていただきました。
 一部の人にとっては笑顔な事でも、それが何かしら誰かに迷惑がかかるようなことなら、それはみんな笑顔というわけにはいきません。自分がよければ他人はどうでもいい、この町がよければ隣町はどうでもいい、この国さえよければのような、自己中心的な考えではなく、私達は常にどの立場に立っても同じ意見が言えるような物の見方をし、すべての人類がこのように笑顔でいれるような、平和で明るい豊かな社会へ向けて、ともに力を合わせて頑張ってまいりましょう。