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「9月度例会」9月5日(火)

 
地域の青年経済人であるJCメンバーが、高い志と使命感をもち、自分自身・会社・地域・まちを見つめ直し、 周南の明日の活力に繋げていきたいという思いの中、今年度、周南JCでは、経営資質向上委員会(伊藤智泰委員長)が、「経営品質」を キーワードにして、3回の担当例会を受け持ってきた。

その最後である今回は、「経営革新」(=絶え間なく続く状況の変化に、淘汰されないよう適応し続ける為に、考え方・やり方を変えること)を進め、 生み出し続けることが出来る組織の力である「経営品質」の向上が目的。

JCOBであり、NPO法人茨城県経営品質協議会代表幹事、日本経営品質賞審査員でもある、鬼澤慎人(おにざわ まさと)氏をご講師に迎え、 「すばらしき経営の実現を目指して〜経営革新と経営品質〜」と題して行われた。
 

演題横で講師プロフィールを聞く鬼沢先輩(ぼやけてますが)

 
【講義内容(一部抜粋)】

@導入

○問題提起(1)
 (問)「法律やルールを守って、金もうけをして、何が悪いのか?」という問いにどう答えるか?
 (答)「金もうけ自体は悪いことではないが、大事なことは、もうけ方。相手が喜ぶもうけ方と、
     泣いていくもうけ方がある」
 (答)「法律・ルールを守るのは当然だが、時代・思惑で変わっていくものでもある。
     それらを超えて守るべき大事なもの(道徳・倫理など)がある」

○問題提起(2)
 (問)「これまで、様々な努力・手だてを尽くして、最後に行われてきた社員のリストラが、
     今は真っ先に行われる。業績は良くなるが、はたして未来が創れるだろうか?」
 (問)「目先の利益のみにとらわれすぎて、結果、下請け・社員は疲弊していないか?
     保身の為に、問題を隠し、お客を騙してないか?」
 (答)「素晴らしい・元気な会社とは、儲かっている会社ではなく、『取引がしたい』
    『息子を働かせたい』と思ってもらえる会社。経営の質が良くなければ、量も生み出せない。」

○経営とは
 ・「会社の存続・利益をあげることは、経営の目的そのものではなく、目的実現の為に必要な手段」

 ・「経営とは、目的・夢を描き、その実現の為に構想・道筋をたて(=経)、
   実行し成果を出す(=営)こと」

 ・「経営の目的は人生の目的に通じる。一本筋の通った縦糸が『経』ということ」

 ・「業界・役所から与えられた条件・枠の中でただ上手くやるのは、経営ではなく管理。
   何を目的にするのかが大事」
 

講演の様子1、ホワイトボードに記しながら説明

 
A時代の変化(変革が求められている)

 ・「成果は目的からくる。それは、お客様・社会・地域に役に立つ・喜んでもらうこと。
   だが、求められることは、変化していく。また時代、未来が求めることも考えなくてはならない」

B気づきによる自己変革

 ・「変化に対する気づきから自己変革がおこる。それは自己否定を伴う。
   それは明日をもっと良くする為」

○自己変革を妨げるもの
 イ)「自分はできている」という意識(=自己満足)
 ロ)「今までこれでやってきた」という成功体験へのとらわれ(=保守主義)
 ハ)「小さなことだから、たいした問題ではない」という油断(=思い上がり)

 ・「これらは人間が無意識に持っているものなので、気をつけなければいけない。特に業績が
   良い時が危ない」
 ・「油断すると、変化に対して敏感じゃなくなり、次の変化に乗り遅れる」

 

講演の様子2、周南JC会員に質問を投げかける鬼沢先輩、
またそれに答える新入会員の今治君

 
Cお客様や地域にとって、なくてはならない会社になる

○現在の状況
 ・「不況なのに金利があがり(15年ぶり)、物価もあがる(5年間から)」

○今後の展望
 ・「変化に敏感でも、値上げできない(=顧客が「安い」しか価値を見いだせない)会社はつぶれ、
   値上げしても喜ばれる(=技術の革新・付加価値・個性がある)会社は残る」
 ・「既存のお客様を大事にし、定着させる会社が生き残る。新規の客は今のお客様が
   引っ張ってくれる。口コミ」

○中小企業が生き残る道
 ・「『顧客(=あなた)との親密性』を大事にする。一人ひとりに違う対応。少々高くても、
    お客様にとって、なくてはならない、必要な会社になる」
 ・「戦略(=目的に向かっての道筋)をたて、『あれもこれも』ではなく『あれかこれか』と
  『選択集中』し、他との違いを際だたせる」

○顧客満足
 ・「『満足』とは、『期待(=買う前)』と、『認識(=買った後)』の良い意味でのギャップ」
 ・「お客様の期待を超えていく→感動・感激→ファン・贔屓になる→新たなお客様をよんでくれる」
 ・「反対に期待外れ(=不満足)なら、もう来ない」
 ・「期待を超えていくのは、良い人・良い組織・良い会社があってこそ」


D社員のやる気こそが大切な資産

 ・「社長が社員に思い・夢を伝えることにより、社員が、世の中の為になっていると実感し、
   その気になる」
 ・「お金だけでなく、高い志・ビジョンで繋がっている。だから業績が傾いている時でも社員がやる気」
 ・「社員のやる気→感動を生むサービス→質の高い経営→質がないと量も出ない」


EJCと経営品質(明るい豊かなまちづくりを実現するためには)

○「目指すべき理想の姿」と「現状の姿」を知る
 ・「理想・夢は、もっていないと実現できないが、現状を知らないと、上手くいっている他社の
   真似や、流行ものを自社に合わないのに、すぐ取り入れたがり、無理がきて社員が疲れる」
 ・「今の会社の風土・質と、理想とのギャップを埋めていく」

○「知っていること」と「できること」は違う。問題は「やる」か「やらないか」
  ・「最初にやらないと決めたから、できない理由ができた。他人のせいにする」
  ・「最初にやると決めたら、やるべきこと・できることをさがす」
  ・マザー・テレサの言葉(聖書より)

『暗いと不平を言うよりも、自ら進んで明かりを灯しなさい。
誰かがやるだろうということは、誰もやらないということを知りなさい』

○周南JCへ
 ・「素晴らしい会社が多いなら、まちも素晴らしい。JCの会社が元気じゃないと、
   地域も元気じゃない」
 ・「JCに入りたくなるようなJCにならなくては」
 ・「家庭・仕事を大事するのは当たり前。加えて地域のためにJCをするから尊敬される。
   だから志。だから難しい」
 ・「『明るい豊かな社会・まちを創る』という志は自分の為ではない。
   その志(=経)を営む経営が問われる」

短い時間だったが、内容の濃い講義で、一同改めて「経営品質」について考えさせられ、
理解も深まった充実した講師例会となった。終了しても「もっと聞きたい」という声が多くあがった。

理事長謝辞

 
事業を終えての、伊藤委員長の総括

「当委員会の今年最後の事業でもある講師例会はいかがだったでしょうか?
例会での貴重なお時間の中、当初90分の予定が延びてしまった事は、お詫びいたします。
そして多くの方々が身を乗り出して集中して講演を聞いて下さった事にお礼申し上げます。

一度6月で青木武史君による講習で出ていた言葉の意味等、3ヶ月経つとほとんどの人が忘れていましたね。当委員会の副委員長も忘れていたのには ビックリマークがでましたが・・・

なかなか仕事の条件職種によっては全てのメンバーに当てはまるとは思いませんが、仕事をしている以上『お客さん』 という人は必ずいるわけで、顧客満足度の部分等少しでも皆様方の参考になりお役に立てれば幸いです。」

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